発語の準備段階について
カ行やサ行などあまり上手でないお子様がおられる方もいるでしょう。特に日本語の音の中でも難しい音は、サ行です。では、発声について考えていきましょう。まず、おおむね5歳頃にになるとだいたい日本語を話せる口の状態(口腔機能)が整ってきます。正しく発声するためには、準備が必要です。
ポイント
⑴お口の周りの筋肉や皮膚及び舌が縮まないようにストレッチなどが必要です。
⑵舌を同じ姿勢で保つことができるように筋持久力が必要になります。
⑶声を出すには、息をどのように出すかの呼吸訓練(ブローイング)が必要になります。
理由
⑴口の周りのストレッチや運動
イ)口の周りの筋肉及び皮膚については、大きく口を「あ・い・う・べ」と動かしましょう。
皮膚も筋肉(口輪筋など)も使わないと縮んでしまいます。正しい発音を出すためには、皮膚や筋肉がスムーズに動かせる必要があります。
ロ)舌を顎につける様に、舌を鼻につけるように、舌を右や左の唇につける様に動かしましょう。
舌も自在に動かせないと正しい発音が難しくなります。
⑵舌の筋肉のトレーニング
発音をするためには、舌のコントロールも必要になってきます。その為に「舌相撲」を行います。木の棒(木の舌圧子:ぜつあつし)を使っての舌との押し相撲です。舌の筋肉を動かしたり、同じ位置に舌を保てないと正しい発音が難しくなります。
⑶息のトレーニング(ブローイング)
息を出して、声帯を震わせて声を出します。一定の息を出したり、一気に息を出したりが必要になります。ローソクの火を消すのもいいですが、火事ややけどに注意する必要があります。トレーニングの1つとして、コップに水を入れ、ストローを差し込んでブクブクします。ストローの太さ(直径)を変更することで抵抗(吹き易さ)を変えるのもいいですね。
次に球を浮かせる玩具で球を同じ高さに保つトレーニングがあります。同じ高さで球を保つには、息を同じ強さで長く吐き続ける必要があります。
その他に「吹き戻し」があります。「巻き取り」、「巻き笛」、「ピーヒャラ笛」、「蛇笛」、「ピロピロ」など呼ばれているようです。
お家でも簡単にできますので、実践してみてください。舌圧子棒がない場合は、アイスの棒、アイスキャンデーの棒、スプーンなどを使っても構いません。お子様と一緒に楽しみながら行ってください。
最後になりましたが、お子様のお困りごとなどがありましたらご連絡もしくはご相談してください。お待ちしています。