骨について

 成長期には、身長も身体も成長します。それに伴い、骨も筋肉も成長していきます。また、大人の方も骨粗しょう症にならないように注意が必要です。今回は、すべての人に関係ある骨について一緒に考えていきましょう。

 正常な骨は、常に新陳代謝を行い、破骨細胞(骨を壊す細胞)と骨芽細胞(骨を作る細胞)の働きによって骨の再構築が行われます。この新陳代謝のバランスが崩れると骨粗しょう症になります。骨の成長や骨を強くする(骨密度を高くする)には、骨への刺激、成長ホルモン及びビタミンDが必要と言われています。

ポイント

⑴骨への刺激は、お庭や公園などで飛んだり跳ねたり、走ったりの運動や遊びで刺激が入ります。

⑵成長ホルモンを生成するために、夜に十分な睡眠をとりましょう。

⑶ビタミンDを生成するために直接、太陽の光を十分浴びましょう。

理由

⑴骨への刺激

 骨を強くしたり、成長するためには刺激が必要です。骨への刺激は、どうすればよいのでしょうか?骨への刺激は、骨長軸に対して行うことが必要です。つまり、飛んだり跳ねたりの運動の刺激が骨長軸方向へ伝わるのです。

 寝たきり状態や寝かせっきりの状態は、骨長軸に対して垂直の刺激になり、骨を成長させたり、骨を強くしたりの骨への刺激が入らないということになります。 つまり、骨粗しょう症が進むことになります。

 その為、動けない・動かせない・動くのがつらい方は、立たせたり、座らせたりすることで自重(自分自身の体重)を骨(骨長軸)に負荷することで骨に刺激を入れることにするとよいでしょう。但し、良い姿勢で立たせたり、座らせたりしないと痛みなど生じる可能性があります。

 また、寝たきり状態・寝かせっきり状態の場合、骨にも重さがありますので重力により、胸が平ら(胸郭扁平)になり呼吸が難しくなるので注意が必要です。

⑵成長ホルモン(HG)について

イ)成長ホルモンの働き

 成長ホルモンは、小児期には、骨や筋肉を発達させ思春期には性的な成熟を促します。代謝機能にもかかわることから成人期以降は細胞の修復や疲労回復などの効果があります。

ロ)成長ホルモンと睡眠の関係

 成長ホルモンは、睡眠に関係すると言われています。深い眠り(ノンレム睡眠)の時に成長ホルモンが分泌されるようです。特に最初の90分間は、睡眠におけるゴールデンタイムと言われています。

 お子様は、9時までに就寝する場合が多いと思いますので時間帯にすると午後10時から午前2時に最大となると言われています。最近では、深い眠りならば成長ホルモンは分泌されるという結果もあるようです。

 では、睡眠時間はどれくらいが必要と言われているのでしょうか?

 アメリカの国立睡眠財団では、未就学児において10~13時間、6歳~13歳においては9時間~11時間14歳~17歳では8時間~10時間を推奨しています。

⑶ビタミンDについて

イ)ビタミンDの働き

 ①ビタミンDは腸からのカルシウム(Ca)の吸収を高める働きがあります。

 ②免疫(体内に入ってきた細菌やウィルスを食べて壊す働き)を高める働きもあります。

 ③日光の紫外線(UV-B)がビタミンDの生成を行います。

ロ)骨とビタミンDの関係

 カルシウムは、骨の原料となります。腸から吸収されたカルシウムは、血液に取り込まれやがて骨に吸収されて骨密度が増加します。健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の目安は、5.5 μgとされる。

ハ)ビタミンDと日光浴の時間

 ビタミンD生成には、日光が必要です。特に紫外線のUV-Bを浴びるには、直接日光に当たる必要があります。皮膚への悪影響しない範囲での日光浴が必要です。

 国立環境研究センターのデータと天草の位置を考えれば、夏季(7月)では、6分から13分程度、冬季(12月)は20分~40分程度での日光浴が必要ではないかと考えています。

 日光浴の有害性に関する時間ですが、地域性によって異なりますが、夏季(7月)では15分~30分程度、冬季(12月)では80分~100分程度で有害性の出現する事を示唆している資料もあるようです。その為、日光浴は無理のない範囲で行って欲しいと思います。

サイドノート

 宇宙には、重力がありません。宇宙飛行士は、どのように過ごしているのでしょうか?初めの方で、宇宙滞在した宇宙飛行士達は、地球に帰還後すぐには立ち上がるのも難しかったという話や骨がもろくなっていたという話を聞いています。それから徐々にリハビリをして日常生活に復帰したと記憶しています。つまり、重力のない宇宙で生活すると骨も筋肉も衰えるという事になります。

 現在では、腰と床にロープをつけて機械の上で走ったり、歩いたりして運動しています。つまり、「運動すること=骨に刺激を入れる+筋肉を動かす」ということになるのです。      

最後になりましたが、お子様のお困りごとなどがありましたらご連絡もしくはご相談してください。お待ちしています。

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